予防歯科
治療のゴールはメインテナンスのスタート
健康になったあなたのお口を再び悪くしないよう、これからも長く良い状態を保っていただくため、予防、定期健診(メインテナンス)は、大変重要です。
当医院では、治療が終了された方のお口の健康をサポートしていきます。
「また痛くなったら・・・」
「また何かあったら・・・」
では、健康な歯を失うばかりです。
自覚症状がなく進行していく歯周病を悪化させないために、そして健康なお口を保ち健全な永久歯を育てるために定期的な管理(メインテナンス)は欠かせないものです。
身体の健康のために定期検診を受けている方は多いと思います。ではお口の定期検診はどうでしょうか? 虫歯や歯周病もその他の病気と同様に、早期発見・早期治療が肝心です。またデンタルケアにおいては、どうしても自分で行うセルフケアだけでは不十分ですので、プロケアを積極的に活用する必要があります。自分では何もトラブルがないと思っていても、第三者のプロの目で見ると問題が潜んでいることはよくあります。口腔内環境は常に変化し続けていますので、定期的に検診を受けるようにしましょう。
予防歯科のポイント
虫歯や歯周病といったお口のトラブルを予防するためには、毎日ご自分で行うセルフケアと歯科医院で受けるプロケアが大切です。
しかし、いずれか片方だけでは限界があり、両立してこそ初めて予防に取り組んでいるといえます。
ご自身で行うセルフケア
毎日ブラッシングを頑張っていても、やり方次第で虫歯になってしまうケースがあります。ブラッシングはご自分のお口に合った方法を歯科医院で指導してもらいましょう。
毎日のセルフケアで押さえておきたい虫歯予防 3つのポイント
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ケア後にフッ素をお口の中に残す
フッ素入の歯磨き剤・洗口剤を使いましょう。
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プラーク(歯垢)を残さず除去する
1本1本を丁寧にケアしましょう。
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細菌をお口の中に増やさない
就寝前にしっかりデンタルケアを。
ご自身で行う主なケア
- ブラッシング
- 歯垢を残さないよう、隅々まで丁寧に、1本ずつ磨きます。
- デンタルフロス
- 歯と歯の間のプラークは歯ブラシでは落とせません。フロスを活用しましょう。
- フッ素入歯みがき
- 歯の再石灰化を促す「フッ素」が入ったものを選びましょう。
- 洗口剤
- 成分をお口の隅々まで行き渡らせるように、しっかり洗浄しましょう。
歯科医院で行うプロケア
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むし歯のチェック
むし歯は、歯の咬む面やつけ根だけでなく、歯と歯の間などの直接見えないところにもできやすいものです。
また、一度つめて治療してあっても、そのわきの方に新たなむし歯ができることもあります。専門的な立場からむし歯をチェックします。 -
歯ぐきのチェック
歯のまわりのポケット(歯周ポケット)が深いと、歯周病になります。
あなたの歯周ポケットの深さはどのくらいか、チェックします。 -
ブラッシング指導
歯と歯ぐきの正しいみがき方は、その人の歯並びや歯みがきの癖などのため、一人ひとり違うものです。
あなたに合った、歯ブラシ・フロス・歯間ブラシなどの正しい使い方を指導します。 -
歯垢の染め出しチェック
歯垢(プラーク)は、むし歯や歯周病の原因ですが、これをきれいに取り去ることはとても難しいことです。
どこにプラークがつきやすいかをチェックするために、歯垢の染め出しをしてチェックします。 -
歯垢を取る
歯ブラシで取り残したり、取りきれなかった歯垢は、むし歯や歯周病の大きな原因となります。
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歯石をとる
歯石は誰にでもつき、歯肉を圧迫するなどして、歯周病を引き起こす原因の一つとなります。
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歯科相談
むし歯や歯周病についての悩み事以外でも、相談にのります。
顎の痛み(顎関節症)、咬むこと(摂食)、飲み込むこと(嚥下)についての指導や治療、高齢者の口腔の介護(口腔ケア)についても気軽に相談して下さい。
PMTC
PMTCとは
PMTCとはプロの手によって歯をクリーニングすることです。
日頃、歯を磨いていてもどうしても歯の表面には、粘着性の細菌バイオフィルムが付着しています。
PMTCは、歯科衛生士による特殊な専用の器具を使い、歯の表面の歯石、バイオフィルムを除去する方法です。
ツルツルに磨かれた歯面は、プラークが付着しにくくなります。
また、PMTCを定期的に行うことにより、歯をむし歯・歯周病から守り、健康な口元を維持できます。
タバコを吸う方、お茶やコーヒーをよく飲む方、PMTCを行うだけで歯が白くなります。
また歯ぐきの腫れ、痛みを抑え、歯の寿命を延ばすことが期待できます。
歯ブラシだけでは落とせない汚れ
「毎日の歯みがき、きちんとやっているから・・・」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかし、残念ながら歯ブラシでは落とせない汚れがあるのです。
「歯石」と「バイオフィルム」です。
歯石とは
プラーク(歯垢)が固まって(石灰化して)できたもので、一度付着すると歯ブラシで取り除くことは不可能です。
歯石は細菌の溜まり場となり、歯槽骨を溶かしてしまう原因となります。
ですから、定期的にきちんと取り除く必要があるのです。
バイオフィルムとは
台所のヌメヌメのようなもので、細菌同士が固まって保護膜を作り歯面に貼り付くので、歯ブラシでは取りづらくなります。
さらに、歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)のバイオフィルムは歯ブラシで取り除くことは困難となり、これを放置すれば虫歯と歯周病の原因となります。
ですから、これも定期的に専門の機械を用いて歯科医院で取り除くことが重要になるのです。
バイオフィルムは細菌のかたまりです。
歯の表面に取り付いた、虫歯菌や歯周病菌は、歯の表面で増殖しバイオフィルムを形成します。
バイオフィルムは、歯の表面に強固に付着します。
剥がしとる最も効果的な手段として考えられるのが、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)です。
ブラッシング等で物理的に取り除くしか方法がありません。
PMTCの手順
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磨ききれない汚れを確認します。
プラークには丁寧なブラッシングでも落とせないものがあります。
その場所を確認します。 -
歯の表面にクリーニング
ペーストを塗り専用ブラシで汚れをこすり落とします。
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チップ、デンタルフロスを使って歯と歯の間の汚れを落とします。
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研磨ペーストを塗り柔らかいラバーカップで表面の艶だしを行います。
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歯の質を強くし輝きを増すため、きれいになった歯面にフッ素を塗って終了です。
8020運動とは?
「80歳になったとき20本の歯が残っているようにしよう!」という運動を「8020運動」といいます。
これは単に20本の歯が残ればいい、というわけではなく、健康な歯を20本残そうというものです。
それは物をおいしく食べ、人間として楽しく過ごすには、「20本」の歯が必要といわれているからです。
しかし日本の現状は、8007、つまり80歳の方で、残っている歯の本数は、平均して「7本」だといわれています。
これは日本のメインテナンス率の低さから来る研究もあります。
グラフでは、定期健診を受けた方では、約15.7本残っているのに対し、治療だけの方では、6.8本しか残っていないという事実を示しています。
事実メインテナンス率がほぼ100%の予防歯科先進国である北欧の国々では、8020運動はすでに達成されているのです。
担当衛生士制
~一人の患者さんを一人の歯科衛生士が担当~
当院では担当衛生士制を採用し、一人の患者さんにつき一人の歯科衛生士が「担当」となって長い期間を通じてお口のサポートを行います。担当衛生士制で患者さんのお口の変化を詳しく把握し、適切に管理することが可能となります。お口に関するお悩みや不安がありましたら、なんなりとご相談ください。あなたを担当する歯科衛生士が生涯に渡ってお口の健康を応援します。